#046 お守りとしての一冊 絵本『このあとどうしちゃおう』

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ヨシタケシンスケさんの『このあとどうしちゃおう』

昨年の夏に長く闘病中だった父が旅立ちました。

そのことについては、他の場所で書いたので、ここではその当時、息子と何度も何度も読んだ絵本について紹介させてください。

『このあとどうしちゃおう』 ヨシタケ シンスケさん 著 (ブロンズ新社)です

こないだ おじいちゃんが しんじゃった。       

という一文からはじまる、お話です。

本屋さんでみかけて、パラリと読んでみました。

子どもも、私も大好きなヨシタケシンスケさんの、ふふふと笑顔になってしまう、いつもの感じ。

1ページだけ、胸がぎゅっとなるシーンはあるのですが、全体的に明るいトーンで描かれ、最後も、静かにほわっと笑顔になれる、そんな終わりかたでした。

ただ、息子にはまだ早いかな、としばらく購入を迷いました。

本屋さんにいくたびに、うーん、と思っていましたが、生きていく以上、大切な人との別れは避けられないこと、この本を家に迎え入れておくことはいいのではないかな、と購入に至りました。

私は高校生になるまで、近しい人を見送ったことがなく、高校時代はじめて学校の先生が病気で亡くなられたときに、強いショックを受けたことがあります。

それまで、まったくと言っていいほど身近に感じたことのない、二度とあうことができない別れという現実を自分の中で消化することに、とても長く時間がかかりました。

ずっと訪れてほしくないけど、いつかは訪れること。でもその時にこの本がそばにいてくれたら、少しだけでも、心が落ち着くのではないかと。

いつか来る、大切な人との別れのとき、息子のお守りになりますように、そう願い、家に迎えました。

表紙の絵も、好きなのです

そして、昨年の夏、息子にとっては大好きな大好きなおじいちゃんが旅立った日から、すこしずつ受け入れ消化できるまで、何度もこの本を一緒に読みました。

私にとっても、お守りのような本です。

大好きな、大切な人との別れは、とても悲しいものです。

でも、少しずつ少しずつ、本当に少しずつ時間をかけて、その悲しさはうすれてゆくように思います。

寂しさは時折顔をのぞかせ、涙が落ちてくることもありますが、でも、一緒に笑顔で過ごした何気ない時間を思いだして、この本を開いて、そうして、日々を元気に生きています。

もしよかったら、手に取ってみて下さい。

気がついたら、絵本がとても好きになっていました。

ご紹介したい本はまだまだ沢山あるので、また書きたいなと思っています。

このあと どうしちゃおう
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ぐーんと伸びをして、深呼吸をして、心地よい空気を吸い込む、そんな日になりますように。